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一般的なフッ素樹脂は、体積抵抗値が1016Ωcm~1018Ωcm で、極めて優れた絶縁材料です。
その一方で、この絶縁性によりフッ素樹脂は静電気を帯びやすい物質の代表とされています。
静電気帯電物体が空気の絶縁破壊電界強度に達したときに静電気放電と呼ばれる電離現象が発生します。
防爆設備を稼働させるにあたって「金属製の機器を使用しているから静電気は帯電しない」という考え方があります。
しかし、これはある意味で間違った考え方です。
製造現場をよくお確かめください。ご使用条件によっては付着物が機器内面に積層して絶縁層を形成し、知らず知らずのうちに機器自体が絶縁体になっているかもしれません。実際にこれが原因で静電気災害も発生しています。
また、腐食による酸化物の生成や表面の粗面化も静電気の発生を多くする傾向があります。
“ECシリーズ”の開発コンセプトは、フッ素樹脂の優れた非粘着性と化学安定性を活かしたうえで
尚かつ静電気帯電を防止することにあります。
つまり、絶縁のもとになる付着物を固着せず、しかも流体・固体の摩擦なとによる静電気の帯電防止効果を有した
フッ素樹脂コーティング。これが“ECシリーズ”なのです。
【導通性能】
“ECシリーズ”は当社独自の技術により、発生した静電気を被膜の体積(厚み)方向に逃がす、
体積方向導通の施工にしました。
これによって、表面方向に静電気を逃す構造では得ることのできない安全性を実現しています。
この技術は洗浄用途の薄膜使用から耐食用途の厚膜仕様まで、すべての“ECシリーズ”に活かされており、安全にご使用いただけます。
【安全に管理された漏洩抵抗値】
厚生労働省所轄独立行政法人産業安全研究所の「静電気安全指針」では、漏洩抵抗が108Ω以下のものを「帯電の大きさが
小さい」106Ω以下のものを、「帯電がほとんどない」と想定しています。つまり、漏洩抵抗が108Ω以下のものが安全な
帯電防止品と呼べるわけです。“ECシリーズ”は社内管理基準を107Ω未満とし、実測値では104~106Ωを実現しています。
また、全てのECシリーズ施工品において現物で漏洩抵抗値を測定し、基準内であること確認・保証しています。
帯電の大きさ (帯電電位の目安[KV]) |
漏洩抵抗の目標[Ω] |
ほとんどなし (0.01以下 ) | 106以下 |
小さい (0.01~0.1) | 106~108 |
普通 (0.01~0.1) | 108~1010 |
大きい(1以上 ) | 1010以上 |
※ご使用上の注意点※
“ECシリーズ”は静電気の発生自体を防止することはできません。積極的に除電する機能はありません。
コーティング被膜に接する内容物そのものに耐電し、充分に静電気が抜けない場合がありますので、不活性ガスの注入
などの防爆対策を併用してご使用ください。
ご使用にあったては機器の外面に必ずアース接続をしてください。
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